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相続財産は現金と不動産ではどちらがお得? | Tax Informant

相続財産は現金と不動産ではどちらがお得?

相続税
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相続財産を現金か不動産でもらうとしたら、どちらが得かはわかりません。
個々人の状況によって違いますからね。
そもそも、何をもって得したと感じるかも、人によって違いますし。
でも、相続税が安くなるのは不動産です。

例えばこんな状況の場合

父親が現金(預金)1億円と土地を残して亡くなったとします。
この土地は空地になっていますが、不動産屋さんからは1億円で買いたいと申し出がある。
相続人は長男と次男の二人だけです。
長男は現金全額を、次男は土地を相続したとします。
つまり、兄弟それぞれが1億円相当の遺産を取得したのです。
現金と不動産と形は違っても、価値は同額なので、公平に見えます。
でも、税額は同じとは限りません。

時価であっても時価ではない・・相続税評価額

相続税額の計算において、まず遺産の価格を決めなければなりません。そしてそれは時価となっています。
現金の場合はその金額です。
では、土地はどうでしょうか。

現金、イコール紙幣はみんな額面通りの価値がありますよね。
紙幣の番号が違っていても価値には関係ありません。
ところが土地の場合はどうでしょう。
大きさも形も違います。
周囲の環境もそれぞれです。
ひとつひとつに公正な市場価格がついているわけではありません。
つまり、時価がないのです。

でも、時価がわからないと相続税額の計算ができません。
計算できないと納税もできなくなってしまいます。
そこで、国税庁は路線価というものを提示して、それを基に計算した価格を時価とみなすことにしました。

この路線価は周辺の売買価格を参考にしていますが、実際の売買価格の8割程度といわれています。

要するに、相続税額の計算に用いられる土地の価格は、相場の8割前後になっているのです。
これが相続税評価額です。

例えばの場合の相続税額は

長男が取得した財産は現金1億円
次男が取得した財産は土地で相続税評価額は8千万円
とします。

課税価格の合計額 180,000千円
基礎控除      42,000千円
課税遺産総額   138,000千円
相続税の総額    27,400千円

各人の相続税の納付額は「相続税の総額」を各人が取得した財産の価格(相続税評価額)の比率で按分します。
この場合は27,400千円を長男と次男で10:8で按分します。

長男の相続税額  15,223千円
次男の相続税額  12,177千円

となります。

このケースでは土地を取得した次男のほうが約300万円も相続税が安くなります。

土地相続のリスク

相続税額だけ考えれば、現金よりも土地を相続したほうが「お得」といえます。
しかし、土地相続には現金相続にないリスクがあるのです。

登記のための費用

相続した土地を登記するためには費用がかかります。
必ず必要なのが登録免許税です。
その土地の固定資産税評価額の0.4%になります。
固定資産税評価額は相続税評価額よりも低めに設定されていることが多いようです。
相続した土地の固定資産税評価額が仮に7千万円だとしたら、28万円の登録免許税が必要になります。

あと、登記を司法書士に依頼する場合は、その報酬も必要です。

ちなみに土地を購入した場合等に課される不動産取得税は、相続した土地にはかかりません。

価格の変動

土地の価格は変動しますので、思っていた値段で売れないこともあります。
もちろん、予想外の高値で売れることもありますが。
また、設定した価格では買い手がつかずにいると、固定資産税等の維持費だけ支払うことにもなります。

売却時の所得税

土地を売却して利益が出た場合には所得税が課税されます。
その計算方法は、まず、譲渡所得金額を計算します。

譲渡所得金額=収入金額 – (取得費+ 譲渡費用) – 特別控除額

譲渡所得金額に税率をかけて税金を計算しますが、土地の所有期間によって税率が異なります。

・ 譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える場合

所得税 15% 住民税 5%

・ 譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年以下の場合

所得税 30% 住民税 9%

譲渡した不動産が居住用財産や優良住宅地の造成等に該当する場合、または、国等への譲渡であった場合は税率が変わります。
他にも基準所得税額の2.1%の復興特別所得税がかかります。

相続で取得した不動産を売却する場合の「取得費」「所有期間」は被相続人のものを引き継ぎます。

上記の例えの場合、父親が10年前に8千万円で土地を購入していた場合、次男が売却することによって払う所得税等は以下のようになります。

収入金額(売却価格) 100,000千円
取得費  80,000千円+12,177千円(相続税額の取得費加算)=92,177千円
譲渡経費  500千円 とする
特別控除額  0円

所得税 1,098千円  住民税 366千円

もちろん、父親が5千万円で土地を購入していたら所得税住民税はもっと高額になりますし、反対に1億円で購入していたら所得税住民税はかかりません。

まとめ

相続するものが現金か不動産化によって負担する相続税額は変わります。
一般的に現金よりも不動産を相続した方が相続税は安くなります。
この記事では触れませんでしたが、居住用の不動産の場合は更に減額となることが多いです。
ただし、相続した不動産を売却したときの所得税等を考慮すると一概には言えなくなります。
所得税等を考慮に入れる場合は、被相続人がいくらで購入したかがポイントとなります。

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