所得者の状態による控除
所得税では各人の事情を考慮して、所得控除が設けられています。
所得控除は具体的には次のものがあります。
・雑損控除 ・医療費控除 ・社会保険料控除 ・小規模企業共済等掛金控除 ・生命保険料控除 ・地震保険料控除 ・寄付金控除 ・障害者控除 ・寡婦控除 ・寡夫控除 ・勤労学生控除 ・配偶者控除 ・配偶者特別控除 ・扶養控除 ・基礎控除
上記の中で、所得者本人の状態により適用できるものを紹介します。
・障害者控除 ・寡婦控除 ・寡夫控除 ・勤労学生控除 ・基礎控除
です。
障害者控除
税法の規定によって障害者又は特別障害者に該当する人が受けられる控除です。
この障害者控除は所得者本人以外でも控除対象配偶者や扶養親族にも適用があります。
主に次のような人が該当します。
◇精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人・・・特別障害者
◇精神保健指定医などによって知的障害者と判定された人・・・障害者
◇精神保健指定医などによって重度の知的障害者と判定された人・・・特別障害者
◇精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人・・・障害者
◇上記手帳に障害等級が1級と記載されている人・・・特別障害者
◇身体障害者手帳に身体上の障害があると記載されている人・・・障害者
◇上記手帳に障害の程度が1級又は2級と記載されている人・・・特別障害者
◇寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする人・・・特別障害者
障害者控除の額
障害者は27万円
特別障害者は40万円
寡婦控除
寡婦に該当する所得者が受けられる控除です。
寡婦控除では「寡婦」か「特別の寡婦」かによって控除額が違います。
寡婦は次の①又は②のいずれかに該当する人をいいます。
①扶養親族又は生計を一にする子(所得金額の合計額が38万円以下の子)があり、かつ、夫と死別もしくは離婚し、再婚していない、又は夫の生死が不明の人
②合計所得金額が500万円以下で、かつ、夫と死別し再婚していない、又は夫の生死が不明の人
特別の寡婦とは、寡婦のうち扶養親族である子があり、合計所得金額が500万円以下の人です。
寡婦控除の額
寡婦は27万円
特別の寡婦は35万円
寡夫控除
寡婦控除の男性版ですが、寡婦控除とは少し違います。
寡夫とは次の3つの条件全てを満たす人です。
・合計所得金額が500万円以下
・生計を一にする子(所得金額の合計額が38万円以下の子)がある
・妻と死別もしくは離婚し、再婚していない、又は妻の生死が不明
寡夫控除の額は27万円
勤労学生控除
所得者が勤労学生であるときに受けられます。
具体的には、次の3つの条件全てを満たす人が受けられます。
・小学校、中学校、高等学校、大学、専修学校等の一定の学校の生徒又は学生
・合計所得金額が65万円以下
・給与所得以外の所得金額が10万円以下
勤労学生控除の額は27万円
基礎控除
全ての所得者に適用されます。
基礎控除の額は38万円
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