正面路線価
路線価のある土地の相続税評価額は、基本的には
路線価✖奥行価格補正率✖面積
で計算されますが、では、複数の道路と接している場合はどうなるのでしょうか。
一般的に、土地は接する道路が多いほど便利になり、価値が上がると考えられています。
したがって、その価値の上昇分を評価額に含めるように定められています。
複数の道路に接する土地を評価するには、まず正面路線を決めます。
正面路線とは、それぞれの「路線価✖奥行価格補正率」によって計算した1平方メートル当たりの価格の高い方の路線をいいます。
正面路線の路線価を正面路線価といいます。
次の土地の正面路線はどれでしょうか。
奥行価格補正率 8m → 0.97 11m → 1.00
図1
接する路線について「路線価✖奥行価格補正率」を計算します。
A 100千円✖0.97=97千円
B 70千円✖1.00=70千円
A>B なので Aが正面路線、正面路線価は 100千円です。
ちなみに、Bは側方路線といい、側方路線価は 70千円です。
正面と側方に路線がある土地
正面と側方に路線がある土地の評価額は次のように計算します。
① 正面路線価✖奥行価格補正率
② 側方路線価✖奥行価格補正率✖側方路線影響加算率
③ (①+②)✖面積
側方路線影響加算率も国税庁のホームページに記載されています。
側方路線影響加算率は角地か準角地かによって違います。
準角地とは下図Aのように一系統の路線の屈折部の内側に位置するものをいいます。
角地とは準角地以外のBやCのような土地をいいます。
図2
例
では、図1の土地の評価額を計算してみましょう。
普通住宅地区の準角地の側方路線影響加算率は0.02です。
① 100千円✖0.97=97千円
② 70千円✖1.00✖0.02=1.4千円
③ (97千円+1.4千円)✖88㎡=8,659,200円
正面と裏面に路線がある土地
正面と裏面に路線がある土地の評価額は次のように計算します。
① 正面路線価✖奥行価格補正率
② 裏面路線価✖奥行価格補正率✖二方路線影響加算率
③ (①+②)✖面積
二方路線影響加算率も国税庁のホームページに記載されています。
例
下の図3の土地の評価額はいくらでしょうか。
普通住宅地区の二方路線影響加算率は0.02です。
普通住宅地区の15mの奥行価格補正率は1.00です。
図3
この場合はA路線もB路線も奥行は15mで同じなので、奥行価格補正率も同じです。
すると、単純に路線価が高い方が正面路線価になります。
よって、Bが正面路線で正面路線価は110千円。
Aが裏面路線で裏面路線価は90千円です。
① 110千円✖1.00=110千円
② 90千円✖1.00✖0.02=1.8千円
③ (110千円+1.8千円)✖15m✖20m=33,540,000円
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