3つの路線と接する土地
3つの路線と接する土地の評価額計算は、次の2つのパターンがあります。
・イ 正面と側方に2つ路線がある土地
・ロ 正面と側方と裏面に路線がある土地
図1
どの路線が正面路線になるかで、計算のパターンが変わります。
ちなみに、正面路線とは 路線価✖奥行価格補正率 の値が一番大きい路線です。
最初に全ての路線について 路線価✖奥行価格補正率 を計算して、正面路線を確定します。
正面路線が分かれば、上記のイかロのどちらに該当する土地か分かります。
正面と側方に2つ路線がある土地
正面と側方に2つ路線がある土地の評価額は次のように計算します。
① 正面路線価✖奥行価格補正率
② 側方路線価✖奥行価格補正率✖側方路線影響加算率
③ 側方路線価✖奥行価格補正率✖側方路線影響加算率
④ (①+②+③)✖面積
上記の③は②の反対側にある路線についてです。
側方路線影響加算率は角地か準角地かによって違いますので、注意してください。
例
下の図2の土地の評価額はいくらでしょうか。
普通住宅地区の8mの奥行価格補正率は0.97です。
普通住宅地区の12mの奥行価格補正率は1.00です。
普通住宅地区の角地の側方路線影響加算率は0.03です。
普通住宅地区の準角地の側方路線影響加算率は0.02です。
図2
正面路線を確定します
A 120千円✖0.97=116.4千円
B 80千円✖1.00=80千円
C 100千円✖1.00=100千円
よって、Aが正面路線、Bが側方路線、Cも側方路線
① 120千円✖0.97=116.4千円
② 80千円✖1.00✖0.02=1.6千円 (B路線、準角地)
③ 100千円✖1.00✖0.03=3千円 (C路線、角地)
④ (116.4千円+1.6千円+3千円)✖8m✖12m=11,616,000円
正面と側方と裏面に路線がある土地
正面と側方と裏面に路線がある土地の評価額は次のように計算します。
① 正面路線価✖奥行価格補正率
② 側方路線価✖奥行価格補正率✖側方路線影響加算率
③ 裏面路線価✖奥行価格補正率✖二方路線影響加算率
④ (①+②+③)✖面積
例
下の図3の土地の評価額はいくらでしょうか。
普通住宅地区の25mの奥行価格補正率は0.99です。
普通住宅地区の36mの奥行価格補正率は0.94です。
普通住宅地区の角地の側方路線影響加算率は0.03です。
普通住宅地区の二方路線影響加算率は0.02です。
図3
正面路線の確定
A 120千円✖0.99=118.8千円
B 100千円✖0.94=94千円
C 150千円✖0.94=141千円
よって、Cが正面路線、Aが側方路線、Bが裏面路線
① 150千円✖0.94=141千円
② 120千円✖0.99✖0.03=3.564千円 (A路線、角地)
③ 100千円✖0.94✖0.02=1.88千円 (C路線、裏面)
④ (141千円+3.564千円+1.88千円)✖36m✖25m=131,799,600円
なお、A路線が角地か準角地かは正面路線から見て判断します。
したがって、この場合は角地となります。
4つの路線と接する土地
4つの路線と接する土地の評価額は次のように計算します。
① 正面路線価✖奥行価格補正率
② 裏面路線価✖奥行価格補正率✖二方路線影響加算率
③ 側方路線価✖奥行価格補正率✖側方路線影響加算率
④ 側方路線価✖奥行価格補正率✖側方路線影響加算率
⑤ (①+②+③+④)✖面積
例
下の図4の土地の評価額はいくらでしょうか。
普通住宅地区の25mの奥行価格補正率は0.99です。
普通住宅地区の30mの奥行価格補正率は0.98です。
普通住宅地区の角地の側方路線影響加算率は0.03です。
普通住宅地区の二方路線影響加算率は0.02です。
図4
正面路線の確定
A 100千円✖0.99=99千円
B 90千円✖0.98=88.2千円
C 80千円✖0.99=79.2千円
D 100千円✖0.98=98千円
よって、Aが正面路線、Cが裏面路線、Bが側方路線、Dも側方路線
① 100千円✖0.99=99千円
② 80千円✖0.99✖0.02=1.584千円 (C路線、裏面)
③ 90千円✖0.98✖0.03=2.646千円 (B路線、角地)
④ 100千円✖0.98✖0.03=2.94千円 (D路線、角地)
⑤ (99千円+1.584千円+2.646千円+2.94千円)✖25m✖30m=79,627,500円
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