寄附金控除とは
困っている人を助けるための寄附等をした場合は、所得税が減額されることがあります。
1年間の合計で2千円を超える特定寄付金を支払っている場合は、所得金額から一定の金額を控除することができます。
これを、寄附金控除といいます。
なお、所得金額ではなく所得税額からも控除できる寄附金もありますが、今回は所得控除についてのみ紹介します。
特定寄附金の範囲
一概に寄附といっても、その範囲は広く、定義もあいまいです。
使わなくなった子供服を同僚にあげたり、街角で献血や募金をすることも、寄附に含まれるかもしれません。
そこで、税務上、寄付金控除ができる寄附金の範囲を定めています。
それを特定寄附金といいます。
特定寄附金は具体的には、以下に掲げるものをいいます。
①国または地方公共団体に対する寄附金
②公益社団法人や公益財団法人、その他公益を目的とする法人や団体に対する寄附金で財務大臣が指定したもの
③次の公益の増進に著しく寄与する法人に対する寄附金で、その法人の主たる目的である業務に関連するもの
a. 独立行政法人
b. 試験結果等の一定の業務を主な目的とする地方独立行政法人
c. 自動車安全運転センター、日本司法支援センター、日本私立学校振興・共済事業団、日本赤十字社
d. 公益社団法人、公益財団法人
e. 民法34条により設立された法人で一定のもの、科学技術の研究等を行う特定法人
f. 私立学校法3条に規定する学校法人で一定のもの、私立学校法64条4項の規定により設立された法人で一定のもの
g. 社会福祉法人
h. 更生保護法人
④特定公益信託のうち、その目的が公益の増進に著しく寄与する一定のものの信託財産とするための支出
⑤政治活動に関する寄附金で次の団体等に対するもの
a. 政党
b. 政治資金団体
c. 国会議員が主宰する又は主な構成員が国会議員である政治団体
d. 議員等の後援団体
e. 特定の公職の立候補者の後援団体
f. 特定の公職の候補者
⑥認定特定非営利法人等に対する寄附金で一定のもの
⑦認定新規中小企業者によって発行される特定新規株式を、発行の際に、払込により取得した場合の、株式の取得に要した一定の金額
ただし、上記の①から⑦に該当する寄附金であっても以下のものは特定寄附金にはなりません。
◇寄附をした人に特別の利益があるもの
◇学校の入学に際して支払ったもの
◇政治資金規正法に反するもの
寄附金として一般的に認識されているものは、上記の特定寄附金に該当することが多いです。
例えば、「赤い羽根共同募金」や「ユニセフ募金」は該当します。
また、「24時間テレビ」の募金も該当します。
ただし、寄附金控除を受けるためには領収証が必要です。
領収証の他に証明書等が必要な場合もあります。
寄附金控除の金額
所得金額から控除できる寄附金控除の金額は、次のいずれか少ない金額です。
①その年の特定寄附金の額の合計額-2千円
②その年の総所得金額等✖40%-2千円
計算例
その年の特定寄附金の額の合計額:20万円
その年の総所得金額等:200万円
①200,000円-2,000円=198,000円
②2,000,000円✖40%-2,000円=798,000円
①<②
よって、寄付金控除の金額は 198,000円
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