相続税評価額
相続や贈与によって財産を取得して、相続税や贈与税を計算する場合には、取得した財産の価格を知らなければなりません。
相続税法には、「相続や贈与によって取得した財産の価格は、その財産を取得したときの時価による」とあります。
しかし、時価を算出することは煩雑であったり、困難であることが多々あります。
そこで、相続税や贈与税の計算において、財産の種類ごとに、財産の評価方法が定められています。
この評価方法により算出した財産の価格を、相続税評価額といいます。
家屋の評価方法
この記事では、家屋の相続税評価額の計算方法を紹介します。
家屋は固定資産税評価額に1.0を乗じて計算します。
式にすると
固定資産税評価額✖1.0
となりますので、要するに固定資産税評価額と同じになります。
この固定資産税評価額は、毎年4月頃に市町村から送られてくる「固定資産税・都市計画税納税通知書」に記載されています。
納税通知書の中の「課税明細書」に「価格」という欄があります。
市町村によっては「価格(評価額)」となっているかもしれません。
その欄に記載されている金額が固定資産税評価額です。
固定資産税評価額は基本的に3年毎に更新されます。
また、納税通知書を紛失してしまっていて、すぐに固定資産税評価額を知りたい場合は、市役所等で「固定資産評価証明書」を取得すると良いでしょう(有料ですが)。
貸家の評価
評価する家屋を人に貸している場合は、評価額が減額されます。
賃貸借契約によって借主にも一定の権利が発生し、自家用の家屋よりも価値が下がると考えられているためです。
ただし、親族等に無料で貸している場合等は、自家用の家屋として評価します。
貸家の場合は次の式で評価します。
(固定資産税評価額✖1.0)✖(1-借家権割合✖賃貸割合)
借家権割合は地域によって定められています。
国税庁のホームページで調べることができます。
賃貸割合は、その家屋のうち賃貸している部分の割合です。
例えば、同じ面積の部屋が10室あるアパートで、9室を賃貸し、1室を自分の居住用としている場合は、賃貸割合は9/10になります。
例
賃貸用アパート : 全部で8室、1室の面積はどれも20㎡
固定資産税評価額 : 1,000万円
利用状況 : 7室は第三者に賃貸されているが、1室は息子が無料で使用している。
借家権割合 : 30%
評価額は
(1.000万円✖1.0)✖(1-30%✖140㎡/160㎡)=7,375,000円
となります。
8室のうち7室が賃貸されているので、賃貸割合は20㎡✖7室=140㎡が全室の面積20㎡✖8室=160㎡に占める割合なので、140㎡/160㎡です。(共用部分は含めません)
また、賃貸人が引っ越した等の理由で、課税時期に一時的に空室の場合は、賃貸されているものとして、計算することができます。
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